2023年に仕込みたい米国株
今回のテーマはこちら2023年に仕込みたい米国株3です。2022年は皆さんにとってどんな1年でしたでしょうか?2022年の米国株市場は厳しい展開となりましたね。2021年とは環境がガラッと変わり、様々なことが起きた1年となりました。
S&P500は年初来約20%の下落となりました。ドル円相場は急激に円安方向へシフトしました。日本円をドルに換金して米国株投資をしている投資家さんにとっては厳しい時期だったかもしれませんね。
一方で既に資産をドルでお持ちの投資家さんにとっては評価での資産が増えた実感があったかもしれません。世界的には物価上昇が高まり、アメリカでもインフレが加速しましたね。そのインフレを抑制するために大幅な利上げも行われています。
ロシアウクライナ問題や米中貿易摩擦などの問題も米国株市場は影響を受けたかもしれません。2022年はいろんなことが起きました。2023年も引き続き不確実性の高い状況が続く世界情勢となるでしょう。そのようなときでも航路を守って投資は続けていきたいですね。
今回は、2023年に仕込みたい米国株3選をご紹介します。
2022年はどのようなことが米国株市場で起きたか
S&P500は年初来約20%下落しました。S&P500はアメリカ主要企業500社で構成される株価指数でしたね。アメリカ市場全体的に下落傾向であったことがわかります。
2022年1月から2022年12月までのS&P500の推移は2022年の年明けは4800ポイントあったS&P500ですが、徐々に下落し、12月には3900ポイントから4000ポイントといったところで年初来約20%の下落です。
次に2022年1月から2022年12月までのドル円為替相場は、1ドル115円近辺でスタートしたドル円相場ですが10月に150円を超える高値をつけました。12月は135円近辺で落ち着いてきました。
米国株投資をする投資家さんにとって為替リスクは気になるところです。途中の上がり下がりはありますが為替を加味すると2022年。年初と年末は大きくは変わっていないと言えるでしょう。
2022年に限ってみると結果が見えにくい状況だったかもしれませんね。米国ではインフレーションも話題になりました。2022年は世界的に物価上昇が加速しましたね。
物価上昇を確認する指数としてコンシューマープライスインデックスがあります。略してCPIです。CPIは消費者物価指数と訳されていますね。購入する商品やサービスの価格変動を表している指数です。
日本はG7中最下位で他国と比べ、インフレ上昇率の割合は低かったと言えるかもしれませんね。話を米国に戻しましょう。
アメリカ労働統計局が発表した1年間の物価上昇率は2022年10月までの1年間全体的に約8%でした。食品外食の上昇率は約11%の上昇でした。エネルギーの上昇率は約18%の上昇がありました。このエネルギーのカテゴリーは、ガソリン代や電気代なども含まれます。
このように米国市場では様々なことが起きましたね。2021年とかなり違うマーケット環境でした。このような状況を踏まえて、2023年はどのようなスタイルで投資をするか検討してみましょう。
①守りの投資
ディフェンシブ銘柄への投資となります。景気動向に左右されない銘柄への投資が守りの投資です。
ディフェンシブ銘柄は生活必需品などの銘柄が当てはまります。景気の良しあしに関係なく、常に必要とされるので影響を受けにくいということになりますね。
値動きが期待できるとは言えないかもしれませんが、多少の配当利回りなどが期待できるといった銘柄もあるかもしれません。見通しも不透明、予測不可能なご時世です。ディフェンシブ銘柄を選んで守りのスタイルで投資をするのが合う人もいるでしょう。
反対にシクリカル銘柄はリセッションなどの影響を受けやすいので避けるのが良いでしょう。シクリカルとは、定期の影響を受けやすい銘柄となります。定期動向に左右されないディフェンシブ銘柄で心穏やかに過ごせるかもしれませんね。
株価が大きく下がるような暴落局面ではない限り、コツコツと投資していくスタイルが良いですね。需要が安定している銘柄を探し、その企業の業績を確認するということです。決算を確認すれば利益の出ていない企業の売上成長率が良くない企業などを避けられます。
ここでディフェンシブ銘柄の一例をご紹介します。割と安定した需要があるということでのご紹介になります。決算内容に関しては今後も注視していく必要はもちろんあります。あくまでも目線としてのご紹介になります。
・シンタス:ユニフォームの製造レンタル販売等を行う。ティッカーシンボル『CTAS』
日本では会社で支給される作業着制服などは従業員が管理していますね。自分で持ち帰り自分で洗濯するのが基本ですね。アメリカではレンタル会社が製造し、貸し出して管理までしてくれるのが基本です。レンタル会社から作業着、制服をレンタルする会社が多いということです。そのレンタルした作業着制服を社員に支給しています。
従業員はその作業着を着た後は所定の場所に集めて送るだけです。そうするとレンタル会社が引き取りに来て、クリーニングをして綺麗になったものを会社まで届けてくれる仕組みになっています。作業着制服のサブスクリプションと言えるかもしれません。
従業員は自分で洗濯する必要がなくなりますので、その上クリーニングされた清潔なものが届くので便利で楽チンなシステムです。シンタスはこのカテゴリーで最大のシェアを誇る企業です。2018年から2022年12月のチャートを見ると右肩上がりとなっています。
配当利回りは約1%です。今後はロボットや無人店舗の普及が進むとも考えられます。そうすると制服を着る人が減る可能性もありますねこのようにネガティブなファクターもあるので、あくまでも目線としてのご紹介です。もう一つ銘柄をご紹介します。
・ローリング:害虫駆除会社です。ティッカーシンボル『ROL』
ローリングはS&P500の採用銘柄です。住宅や商業施設に、害虫駆除やシロアリ駆除サービスを行っています。コウモリ、ネズミなどを駆除するサービスもあります。
住宅との契約であれば家の中に入って作業することになりますね。家の中に入るということはブランド力と顧客からの信頼が必要です。一度作業してもらうと次もまたお願いしたいということになります。
ローリングでは、一度契約を結ぶとその約80%が継続契約ということです。収益基盤が非常に手堅いと言えますね。ローリングの2018年から2022年までの株価チャートで2020年後半からはやや軟調です。
配当利回りは約1.3%です。今後ロックダウンなどで商業施設等の需要が減らない限りは安定した銘柄と言えるかもしれません。あくまでも目線としての銘柄のご紹介でした。
②攻めの投資
キャピタルゲインを狙うとしているが、攻めの投資になります。キャピタルゲインとは株価の値上がり益のことを言います。株価の低いところで仕込む方向になります。
2022年は債券価格が下落しましたね。通常債券と株価は逆相関で同じ動きをしないものですが、2022年は債券と株も下落する面白い動きをする年となりました。
ここで債券価格とインフレーション政策金利の関係をご説明しておきます。冒頭でインフレーションのお話をしましたが債券価格はインフレーションと政策金利に関係します。金利が上昇すると債券価格が下がります。
インフレーションが進むとそれを抑制する目的で利上げが行われます。FRBがFOMCを開催し、そこで政策金利が決定されます。FRBはフェデラルリザーブボードの略で、連邦準備制度理事会のことです。アメリカの金融政策の決定などを行っています。
FOMCとは、フェデラルオープンマーケットコミュニティの略です。金融政策を決定する会合になります。FOMCは6週間ごとに開催されそこで政策金利の決定があります。平常時は約0.25%の上限幅で金利が変動していましたが、2022年9月以降は0.75%の金利引き上げが決定していました。
2020年のコロナショック以降は低金利水準が続いていました。しかし2022年からは急ピッチの利上げが行われました。2022年1月の政策金利は0.25%でしたが2022年11月には4%となりました。インフレをコントロールするために金利引き上げが行われています。
この金利上昇の動きと逆相関の関係にあるのが債券です。債券価格は金利と逆の動きをします。このように金利が高い方向に向かって動いているときは債券価格は下落傾向にあります。
金利上昇局面では債券への投資も面白いでしょう。通常、債券と聞くと守りの投資を想像するかもしれませんね。2022年の債券は株価と逆相関しない稀な年となりました。2023年はCPIや金利上昇幅がどのように動いていくか注目したいですね。
ターミナルレートを意識して債券価格をチェックしてみるのも面白いです。ターミナルレートは金利の最終到達点のことです。2023年はいつごろどれくらいの金利水準が最終到達点となるのか意識される展開となります。
2022年はハイテク銘柄ETFのQQQが値下がりしましたね。QQQは大型グロース株をカバーするETF、主にハイテクセクター株で構成されています。こちらもターミナルレートを意識して値動きを見ていきたいですね。
ターミナルレートの到達点やその水準が維持されるのかそのようなところで株価の値動きも変わってくるでしょう。2023年はどのような値動きになるのか注目していいでしょう。
3、中庸のインデックス
米国株のETFは長期で見ると右肩上がりの優れたものが多いですね。
例として、S&P500連動の投資信託やVDIなどがあります。2023年も淡々と長期目線で米国株インデックスを積み立てていくスタイルになります。
個別株投資は決算を確認していく必要があります。選んだ銘柄の決算が良くない場合は株価は下がります。個別株を見極めるセンスがあり、調べる労力を惜しまない場合は別ですが、リスクがある投資といえるでしょう。
一方インデックスはその必要がなく、簡単にできる中庸の投資といえるでしょう。米国株の良さに関しては度々お伝えしてきましたね。右肩上がりは国自体の成長と企業の成長を意味します。
これら全ての恩恵を受けることができるのが米国株インデックス投資ですね。S&P500は長い目線で見ると右肩上がりです。各年ごとにスポットを当てると下がっている年もあります。
下げた年でも諦めずに淡々と積み立てていくことも大切ですね。航路を決めて守っていくということです。
まとめ
今回の動画は2023年に仕込みたい米国株3選をご紹介しました。
2022年の米国株市場は様々なことがありましたね。S&P500は年初来約20%の下落、為替相場は急激な円安方向へのシフト、世界的なインフレーション、これらの出来事を踏まえて、2023年の方向性を三つ探ってみました。
①守りの投資:ディフェンシブ銘柄を選んで守りスタイルでの投資です。
生活必需品など景気に左右されない需要の安定した銘柄を探してみましょう。決算が発表されたら確認をして業績の良い銘柄を選ぶのも大切です。
②攻めの投資:キャピタルゲインを狙う投資スタイルが攻めの投資です。
ここでは債券価格の下落とその理由をご紹介しました。インフレーションと政策金利、これらは債券価格にも影響してきます。ターミナルレートを意識しながら価格動向に注目してみると面白いかもしれません。また、QQQとVGTのハイテク株ETFもご紹介しました。
2022年は年初来から30%のドローダウンの年でした。これらの値動きを見ていくのも面白いでしょう。
③中庸のインデックス:長期目線で淡々とインデックスで積み立てるスタイルです。
米国株インデックスは長期目線で見ると優れたものが多いです。その理由として整備がされていること、株主重視の地質があること、右肩上がりであることが挙げられます。
短期で見ると全体的に下がる年もあります。このようなときに退場しないで淡々と積み上げていくことが大切ですね。今回は3つのスタイルをご紹介しました。心地よいスタイルを選んで、納得のいく投資をしていきましょう。
将来は誰にも予想できないので、ルールで自縄自縛になることはないですね。柱をきちっと決めて航路を守っていけば良いですね。
情報過多の時代です。様々な意見を聞くことも多いでしょう。今後の見通しはプロでも意見のわかれるところです。この不確実性が投資の妙味でもありますね。ぴったりくるスタイルを見つけて、2023年を共に楽しみましょう。
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