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【新NISA】アクティブファンドを買うべきではない3つの理由

新NISAでアクティブファンドを買ってはいけない

今回のテーマは新NISAでアクティブファンドを買うべきではない3つの理由、こういうテーマで解説をしていきたいと思います。皆さん、2024年から新NISAが始まります。投資額は1800万円、うち1200万円が成長投資枠、そして年間の投資上限額は360万円、積立投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。そして非課税期間は永久売却すると非課税枠は復活しますという感じで、思った以上の大盤振舞な改正になりそうです。

こうやって神改正が入ると悩みも生まれてきますね。何を買うべきで、何を買うべきではないのかっていう見極めの悩みです。ズバッと言っておきましょう。買うべきではないものの一つはアクティブファンドです。ですが金融機関による新NISAの成長投資枠で、アクティブファンドを買いましょうっていう営業は今後めちゃくちゃ増えるでしょう。金融機関にとってもNISA枠の拡大は営業の大チャンスですからね。

新NISAの破壊力は抜群です。この制度だけで資産5000万円超の小金持ちになれるポテンシャルがあります。ただし、それは正しく使えたらの話です。買ってはいけないものを買わないようにしっかりと頭に知識を入れておきましょう。

理由①:アクティブファンドの大半はインデックスファンドに勝てない

アクティブファンドを買うべきではない最もシンプルな理由がこれですね。アクティブファンドの大半は負け組なんです。そもそもファンドには大きく次の2種類があります。インデックスファンドは日経平均株価やS&P500と指数と同じ成績を目指すファンドです。一方アクティブファンドは指数を上回る成績を目指すファンドです。

アクティブっていうのは積極的って意味です。イケイケな感じがしますよね。一見アクティブファンドの方が儲かりそうに見えます。投資してくれて、日経平均株価が10%上昇するなら15%上昇するこういうノリなわけですからね。しかしです、現実はそう甘くはありません。アクティブファンドはファンドマネージャーが個別銘柄などの投資商品を独自の分析で売買するので、人件費や売買手数料などのコストがかかります。これによりリターンが押し下げられるため、長期的には7割から9割のアクティブファンドがインデックスファンドに負けるんですね。

過去10年においてインデックスに勝てたアクティブファンドは、アメリカは16.93%、カナダは19.32%、メキシコは13.89%。ブラジルは13.47%と続き、我らが日本は18.1%っていう感じで本当に残念な結果です。インデックスファンドに勝つんやって意気込んで見ても勝ち続けられるものはごく少数です。プロが運用するアクティブファンドが、ただの指数に勝てない。これは業界関係者が最も知られたくない不都合な真実の一つでしょう。

ここまでの話を聞いて学長10年勝ち続けるのは難しいとしても、短期だとどうなの、こういうことが気になる人もいるかもしれません。過去1年のインデックスに勝てたアクティブファンドの割合です。アメリカは14.93%、カナダは33.33%、メキシコは2.17%。ブラジルは39.74%って続き、我らが日本は35.3%っていう感じですね。もちろんデータの勝率はデータを取る期間によって変わります。とはいえ傾向として、アクティブファンドはインデックスに勝てないっていう事実は変わりません。

どうでしょう皆さん、新NISAの大事な非課税枠、わざわざアクティブファンドに使いますか。

理由②:投資家をカモって儲けようとしているアクティブファンドが少なくない

つまりアクティブファンドは粗悪品が多すぎるってことです。ただ誤解のないように言っておきますが、アクティブファンドの中には優れたファンドもあります。運用哲学や戦略がしっかりしている。運用会社の組織体制がしっかりしている、高い専門性を持つ一流の人材が入りたがる、顧客に対して誠実であるなどなど、そんな運用会社のアクティブファンドは成績も良い傾向にあります。

過去10年アメリカにおいて、インデックスを上回る成績を出したアクティブファンドは16.93%でした。10年という長期間で見ても16.93%はインデックスに勝利できたわけです。優れた運用会社、アクティブファンドもあるっていうことを示す確かな証拠です。少ないとはいえ、17%弱ぐらいはインデックスに勝利できたわけですからね。ただ問題は、なぜこんなにも運用会社やファンドの割合が低いのかっていう点です。それは、はなから本当に勝つ気のあるファンドが少ないからです。

隠れインデックスって言葉をご存知でしょうか?初めて聞いたよって人はぜひこの言葉を覚えて帰ってください。隠れインデックスというのは、中身はほとんどインデックスファンドと変わらないんだけど、アクティブファンドって名乗ることで、高い運用コストを請求する、そんなファンドです。大して難しいことしてないのにたくさんやったようにだけ見せかけて、高い運用コストを請求できるんですから、このファンドは運営者にとっては最高です。インデックスと似通った運用すればいいから運用が楽だし、指数に大負けしないので、もう少し様子を見てくださいって言い訳しやすいので顧客に文句を言われにくいです。それなのに、高い報酬が取れる、通常インデックスファンド運用しても運用額の0.1%とかしか報酬をもらえないんですが、アクティブなら1.5%とか2%とか取れますからね。

もうこのファンドの運営者にとってはこんな商品売れてくれたら最高です。逆に顧客サイドから見たら最悪ですね、コストが高い分、絶対にインデックスに負けるからです。ちょっと古い情報ですが、エール大学の調査によると、2002年時点で、アクティブファンドの2割が隠れインデックスだったそうです。日本にも多くの隠れインデックスが存在するって言われています。さらに隠れインデックスの他にも、問題のあるアクティブファンドは少なくありません。売れさえすればいいっていわんばかりのテーマ型ファンドなどはその典型ですね。

テーマ型ファンドというのは、AIやカーボンニュートラル、フィンテックなど、ブームに乗って作られたファンドですね。世の中にはこういう運用会社がたくさんあります。顧客の資産を増やすためではなく、自分たちが儲けるためにファンドをつくる、こういう会社がアクティブファンドの高い敗北率を生み出しているわけです。不誠実な商品が少なくないアクティブファンドの世界には近寄らない方が身のため、こう思うのは私だけではないはずです。

理由③:あまりにもコスパが悪い

アクティブファンドはコストが高い、アクティブファンドはそのコストの高さゆえにインデックスに負ける。これはよく言われることですね。でも、ここで一旦落ち着いて考えてみましょう。60分6000円のマッサージと60分1万円のマッサージ、これどちらが正義ですか。答えはわからないですよね。なぜなら、1万円の方がクオリティが高いかもしれないからです。この話は資産運用の世界でも同じです。ファンドAへの信託報酬が0.1%、ファンドBの信託報酬が1.5%、これなら低コストのAが正義だって断言したいところですが、もし手数料が0.1%だったファンドAのリターンが5%、手数料が1.5%だったファンドBのリターンが8%、これなら高いコストを払う価値がある、こう考える人は少なくないと思います。

だからアクティブファンドに対して否定的な見解を出すと、よくこういうことを言われます。コストだけで判断するのはおかしいよ、割に合うリターンが得られるならいいじゃないか、こういう意見ですね、これに対して僕の意見を言っておきます。コスパが悪すぎるからやっぱりいいや、これです。どういうことか、順を追って説明します。

今皆さんがインデックスファンドAに投資したとします。期待リターンは5%、信託報酬は0.1%です。これはつまり皆さんはリターンの5%のうち、4.9%を自分のものにして0.1%運用会社のものにするってことです。5%の利益のうち、皆さんの取り分は4.9%、つまり全体の98%が皆さんのものです。運用会社の分は全体の2%に過ぎません。運用会社にはちょっと申し訳ない気もしますが、こっちとしては悪くないですよね。

一方で、皆さんがアクティブファンドBに投資したとします。期待リターンは8%、信託報酬は1.5%です。皆さんこれを見てどう思いますか。8%の利益のうち、皆さんの取り分は6.5%、つまり全体の81%が皆さんのものです。運用会社の取り分は全体の19%に上昇しました。どうでしょう皆さん、急に持っていかれる割合が増えたなって思いませんか?とはいっても、インデックスより儲かるならこのぐらいいいじゃないか、もしかしたらそう感じる人もいるかもしれません。

でも経済学的にはセンスなしの考え方なんです。どういうことか、インデックスファンドのリターンが5%で、アクティブファンドのリターンが8%、つまりアクティブファンドの追加的な収益はプラス3%ということです。一方で、インデックスファンドの手数料が0.1%、そしてアクティブファンドの手数料が1.5%ですから、つまりアクティブファンドの追加的なコストはプラス1.4%ということです。さて、今回の例の場合、私達はインデックスファンドという存在のおかげで、5%までの期待リターンなら0.1%のコストで実現できます。ということは、5%の利益を得るために0.1%上回るコストをかけていたら、それは情弱ですよね。もし仮に5%の利益を得るために1%のコストでカモネギファンドに投資していたら、そんなものに投資しなくてもインデックスファンドがありまっせ言われてしまうからです。

この考え方に基づくとアクティブファンドの真のコスパは8%のリターンに対して1.5%のコストを払っているって計算するのではなく、5%までのリターンは0.1%のコストで実現しているって見直して、追加的な収益3%を得るために追加的なコスト1.4%を払っていると計算するべきなんですね。結局アクティブファンドの心の山分け割合はこうなります。3%の追加的な収益のうち、1.6%自分、そして1.4%運用者っていう形で分けあったわけです。運用のリスクは投資家だけが追います。もし収益が出なくても、信託報酬は必ず支払う必要があります。

つまり皆さんだけがリスクを負ってるんですね。手元に山分けする利益がないのに仲間にお金を払わなくてはいけないってことになるんですね。確かにアクティブファンドが常にインデックスより高い成績を出してくれて、その利益がコストを上回っていれば、資産は他の人よりも速いペースで増えていくでしょう。でもそれはたまたまです。資産運用には良いときも悪いときもあります。儲かってないときにも、ポケットマネーから報酬を支払わなくてはいけない。そして儲かったときにも、自分の取り分の割合が少ない、このコスパの悪さを考えると、いい掛けには見えません。

利益の分配割合に関して、構造的に問題があるということです。アクティブファンドに限らず、構造的に問題があるところには近寄らぬが吉、自分が有利に扱われるポジションを探して居座る、これが資産を失わず増やしていく秘訣ですね。

まとめ

今回はアクティブファンドを買うべきではない3つの理由について解説しました。

理由はこの3つです。

理由①:アクティブファンドの大半はインデックスファンドに勝てない。
⇒長期的に見て70%から90%は負けます。インデックスファンドに勝ち続けられるアクティブファンドは一握りです。

理由②:投資家をかもって儲けようとしているアクティブファンドが少なくない。
⇒これほどまでにアクティブファンドの勝率が低いのは、はなからその気がないファンドも多いからです。隠れインデックスなどはその典型です。

理由③:あまりにもコスパが悪い
⇒収益を自分と運用会社とで分配するって考えたとき、インデックスの山分け比率とアクティブの山分け比率はその割合が全く違います。インデックスはコスパがいいですが、アクティブはコスパが悪いです。長い目で見たときに、アクティブファンドはインデックスファンドよりお金が増えないって言われてしまうカラクリです。

ただ繰り返しになりますが、全てのアクティブファンドが駄目だっていうわけではありません。世の中にはお金を託すに値する優れたアクティブファンドも存在します。自分が背負ったリスクに対して、これなら妥当だって思える利益分配割合のファンドもあるでしょう。でもそういったファンドを探し当てるのは決して簡単ではありません。

以上、参考になれば嬉しいです。アクティブファンドに投資した人が、その成績の悪さに懲りて、インデックスファンドに鞍替えすることはよくあります。一方でその逆はあまり聞かないですね。インデックス投資を始めた人がアクティブ投資に乗り換えることはあまりないこの現実を知っておくと、今後の投資判断に役立つかなと思います。新NISA枠ベストな使い方を模索していきましょう。

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