実は損する危険な節約方法
今回のテーマは危険で実は損する節約方法5選です。
株式投資で億り人などというキーワードを目にする機会がありますね。しかし、株の短期売買だけで巨額の資産を築く人というのはごく一握りでしょう。
多くの方は投資と節約を資産形成の両輪にしています。私達の経済活動をシンプルに捉えると、収入支出投資や貯蓄に分けることができますね。そのため投資に回すための資金を作るための方法は、収入を増やす支出を減らす、この2択になるわけです。
収入を増やすには、転職や起業あるいは副業などが考えられますしかし、これらは簡単ではありません。当たれば良いですが逆に収入を減らすリスクも十分にあります。
誰もが取り組みやすく日々コントロールしやすいのは支出を減らすことです。そのため、投資を実際に始めたり、興味を持ち始めた方の多くは支出を減らすアプローチ、つまり節約にも同時に取り組むことになるでしょう。
ところが、結果を急いだり方法を誤ってしまうことで節約をしたつもりでも、かえって損をしてしまう。そんな負のループに陥ってしまう方は少なくありません。
そこで今回は、長続きする節約をするためのマインドセット、実は損する節約方法5選についてお話をしていきます。早速、学んでいきましょう。
長続きする節約をするためのマインドセット
皆さんは節約に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?貧乏くさい、ケチくさい、我慢するもの、もしこのようにネガティブイメージが強いながら、そこから改善していく必要があります。
なぜなら苦しいだけのものをずっと続けることはできないからです。そこで無理なく長続きする節約をするために必要な心の持ちようについて2つほど確認をしておきたいと思います。
ポイントを押さえた上での後にお話する、損する節約方法をチェックすれば、なぜ駄目なのか、その理由をしっかりと理解することができます。
マインドセット①:価値あるものにお金を使うという意識を持つ
突然ですが、倹約家、節約家、ケチ、この3つの違いを聞かれたら皆さんはどのようにしますでしょうか?
倹約家とは無駄使いをしない人のことです。使うべきではないところではしっかりと財布の紐を引き締めます。見栄を張るためにお金を使うようなことは一切しません。
その一方で、必要なものにはしっかりとお金を使います。実用性があるものや、自分の成長に繋がるものなどが良い例ですね。また友人へのプレゼントや旅行など喜びや経験に対しても価値を見いだしてお金を使います。
まとめると、お金を使うべきところはどこか、価値判断の基準をきちんと持っている人となります。ちなみに倹約家の場合には、他人に迷惑をかけたり不快感を与えるようなこともしません。
例えば皆でお金を出し合うような場面で自分だけが出し渋るようなことはしませんね。身なりでいえば高級ブランドで身を固めるようなことはしないですが、お金をかけすぎず不快感を与えない清潔感がある格好をしているという感じです。
節約家という言葉になると倹約家の要素を含む場合もありますが、もう少し広い範囲を指すようになります。必要以上にお金を使わない人のこと、という意味合いですね。
倹約家との使い分けをする場合は、例えば水道代や電気代など、生活に必要なものも含めて全てのものを切り詰めて出費を抑えようとする人と考えてください。ズバリ、本当は必要なものであってもお金を使わないということです。
そしてこれが行き過ぎるとケチな人になります。例えば本当に行きたいかどうかでなく、無料クーポンがあるかどうかだけで行き先を決める、自分ではお金を払わずに他人にお金を使わせようとするなどがよくない事例です。
このような場合分けをすると私達が目指したいのは、言うまでもなく倹約家になることですね。ところが節約をしなければいけないという気持ちが強くなればなるほど、無意識のうちに節約家やケチの思考方法になってしまいがちなので注意が必要です。
これから先、節約が苦しくなったり何かモヤモヤするものを感じたら、価値あるものに対してはしっかりとお金を使えているかどうか、必要なものに対する支出まで削ってしまっていないか、自分にとって価値がないものに対してお金を使ってしまっていないか、この観点で振り返ってみてください。そうすればきちんと軌道修正ができるようになります。
マインドセット②:楽しく続けられる方法を探そう
皆さんは子供の頃、勉強が好きでしたか?大好きだったという方もいらっしゃるでしょうが、ごくごく少数派だろうと思います。
勉強が嫌いになる理由の多くは、
・授業で言っていることそのものがわからない。
・行政的に画一的なルールでやらされる。
・将来何の役に立つかわからない
この3つです。特にやらされていると感じると、どんなに大切なものでも嫌になってしまいますね。これは勉強に限った話じゃなく全ての物事に当てはまります。ダイエットでも筋トレでももちろん節約でも何でも同じです。
そのため、無理なく楽しみながら続けられる方法を見つけておくことが、長く続けるために重要な鍵となります。
一つの考え方としてゲーム感覚にしてしまうという方法があります。ゲーミフィケーションという言葉を聞いたことがありますでしょうか?人がゲームに夢中になるメカニズムを勉強や仕事などに応用する手法のことです。
ゲームのように夢中になれる一連の行動デザインを作る上では次の5つの要素を押さえておく必要があります。
①目的
敵を倒す街を作るなどゲームに必ず最終的な目的が設定されます。わかりやすく、最終目的を設定することが大事です。
②課題
目的達成する行動をとってもらうために課題を設定します。ゲームで言うと、アイテムをいくつ以上集めるなどのクエストがこれにあたります。簡単なものから時間がかかるものまで段階的に設定するのが効果的です。
③報酬
クエストを達成したときにもらえる報酬を明確にしておきます。報酬はクエストと一緒に発表することで取り組む意欲が喚起されます。
④可視化
クエストの達成状況を可視化することがモチベーションアップに繋がります。ランキング形式で達成状況を発表する。報酬がもらえる上限人数を設定した上で、発生者数を定期的に発表するなどの方法があります。
⑤交流
参加者同士で交流したり、競争することも達成意欲に繋がります。アイテムの在処や裏技を教え合ったり、集めたアイテムの数を確認し合うなどです。
なんだか大変そうに感じたかもしれません。ですがそれほど難しく考える必要はなく節約にも簡単に取り入れられます。
①目的:今の支出を把握して、年間いくらの削減をするか、目標を決める
②課題:そのためにやるべき課題をいくつか決める
③報酬:課題ごとに達成したときのちょっとしたご褒美を決めておく
④可視化:達成状況をグラフ化する
⑤交流家族で取り組み、グラフやアイディアを共有する
このような感じで5つの項目に当てはめながら自分用の節約ゲームにしていきます。ちょっとした工夫で少なくとも無理やりやらされている感じはなくなりますね。やりようによっては家族揃って楽しみながら節約に取り組むことができるでしょう。
そして、一度仕組みを作ってしまうと、いつの間にか習慣化していきます。歯磨きをする、お風呂に入るという行動が当たり前になっているように節約も当たり前の行動になる。苦しいとかつらいとかいう感覚はなくなっていくでしょう。
実は損する節約方法5選
だいぶ前置きが長くなりましたが、これから実は損する節約方法を5つご紹介します。
①価格に惑わされたまとめ買い
よくあるパターンとして、お買い得3個で1000円というものがありますね。もちろん1個でも買えますが、単品買いなら350円などやや高めの価格設定がされています。
お惣菜、靴下、アイスクリームなど、実に様々なもので見かけるキャッチコピーですね。まとめ買いで単価が安くなるものを取り入れると自分がとっても節約上手になったように感じられますよね。
しかし、気持ちとは裏腹に、多くの場合には無駄遣いに繋がるので注意が必要です。誤解のないように言っておけば元々3個必要でまとめ買いで安く済ませるのであれば全く問題ありません。
ところが、無意識のうちにお得だからという理由で買いすぎてしまいがちなんですね。そうすると、1個当たりの単価は多少安かったとしても、お金を気軽にそして予定外に使ってしまうことを意味します。まとめ買いでありがちな失敗事例をいくつか挙げておきます。
買ったものが鮮度が大事な食品であれば、美味しく食べられる時期を逃す可能性がありますね。本来なら美味しく食べられたはずのものも劣化してしまえば満足度は下がります。場合によっては食品ロスに繋がるかもしれませんね。
それならば、保存が効くものなら大丈夫と思うかもしれません。ですが、例えばアイスクリームやお菓子などのストックがたくさんあると、ついつい食べ過ぎてしまいませんでしょうか?残念ながら人はたくさんあると思うと、使い方が雑になってくるものなんです。
これは日用品でも同じことです。物を大切にしなくなれば消費量も増え、結果として満足感も得られなくなる、そんな悪循環が生まれてしまいます。
最初にお話した通り、倹約家になるための重要なポイントは本当に必要なものだけにお金を使うことです。必要なものを必要な分だけ買うということを心がけるだけでも、手元に残るお金が増え始めます。
②ポイントに惑わされて買い物をする
2019年8月の調査なので少し古い情報にはなりますか。家計を節約している人が実際にやっている節約手段についてのアンケート結果がこちらです。
1位が電子マネーなどでポイントを貯める、2位がお店が発行しているポイントを貯めるという結果になっています。発行母体は違いますが、いわゆるポイ活をすることが上位を占めているのがわかります。
確かに上手に活用できればポイ活は有効です。倹約家を言う人たちにはとっても効率よくポイントを貯めたり使ったりしている人が多いですね。
しかしあくまでもポイントはおまけであるという意識が抜け落ちると、無駄遣いの元になるので注意が必要です。先ほどゲーミフィケーションについて紹介しましたが、ポイ活にはこの要素が上手に取り入れられています。
ポイント倍増キャンペーンや、会員ランク制度利用金額に応じて特典が付くなど、たくさんのクエストや報酬が用意されていますね。ポイントが貯まっていく様子はポイントカードやポイントサイトで可視化され、SNSでポイ活にまつわる情報が交換されています。
最初は節約のつもりで取り入れていたとしても、油断をしているとポイントを集めることが目的化していきます。本当は必要ないものを買ってしまったり、ポイント還元率に惑わされて元々の定価設定が割高なものを買ってしまう。なんてことに繋がりやすいので気をつけましょう。
③セールを狙ってお買い物
節約上手な方には、あえてセールには行かないという方が一定数います。セールに行ってしまうと買うこと自体が目的になりがちだからですね、値段が安いからという理由で買い物をしてしまうと満足度もお金も失われます。
もちろんセール品を買うこと自体が全て悪いということではありません。例えば1万円のカバンが期間限定で半額の5000円になっていたとしましょう。元々1万円で買おうと思っていたものがセールで5000円になっているのなら間違いなくお得ですね。
しかし、半額になっている5000円オフという値引き額だけに注目していないかどうか、少し冷静になる癖をつけておきましょう。もしそのカバンに最初から5000円の値札がついていたとしても買いたいと思うでしょうか?そもそも、今持っているカバン以外にカバンは必要なのでしょうか?
セールでついつい買ってしまうのは人間の心理を上手につく手法がたくさん取り入れられているということは知識として知っておきましょう。人は最初に高い金額が提示されるとその金額は考える基準になっていきます。
最初から5000円と提示される、通常は1万円のところセールなどで特別に5000円と提示される。どちらも5000円を支払うことに変わりないのですが、後者は圧倒的にお得な感じがしますよね。
このように最初に提示した金額によって感じ方が変わる心理現象をアンカリング効果といいます。加えて、行動経済学のプロスペクト理論というものも取り入れられています。利益が手に入る可能性のある場面では利益が手に入らないこと、損失の可能性がある場面では損失すること。回避しようとする傾向を持つのが人間の心理であるというものです。
期間限定セールはその時期を逃したらお得な値段では買えないという心理状況になりますね。買わないことが損失のような気がしてしまい、判断軸がぶれてしまいがちです。このように商品を買うという行動を起こさせるための仕掛けがたくさん用意されているということを理解しておきましょう。
そして常に必要なものを必要な分だけ買うという原則を忘れないようにしましょう。
④節約グッズにお金を使う
ホームセンターや100円ショップに行くと様々な節約グッズが販売されています。節水シャワーヘッド、お風呂の残り湯を汲み上げるポンプ、冷蔵庫カーテン、節電タップ、ほんの一例ですが、あらゆる分野から節約グッズが発売されています。
100円ショップなどで手に入る節約グッズも多いです。100円で節約ができるならお得ではないかという感じで、あれこれと買い揃えてしまうケースがあります。まずは節約に役立つからという理由で財布の紐が緩んでしまうようなら本末転倒です。
別の観点からは、多少の節約には繋がったとしてもそれ以上に手間がかかったり、時間がかかるという問題が生じることがあります。目先の支出だけでなくその節約のために費やす時間も含めたトータルのコストバランスをしっかり考えた上で取り入れるかどうかを決めましょう。
例えば残り湯をポンプでくみ上げて洗濯をする場合、ポンプをセットして片付けるといった余計な手間が増えてしまいます。汲み上げるために電気を使うことにもなりますし、ポンプ自体のお掃除も必要です。
ただでさえ家事に育児に忙しいのにポンプと格闘する時間が増えてしまうとイライラも募ることでしょう。誰かの負担によって成り立つ節約方法は長続きしないばかりか家庭の雰囲気を壊すことにも繋がりかねません。
そこまでするなら買い替えのタイミングで省エネ型の洗濯機を選ぶ方がトータルではお得なことが多いでしょう。節約グッズに限らず全般的に言えることとして、あれば便利だろう、役に立つだろうというレベルのものは結局使わなくなることが多いものですね。
⑤極端なお小遣いの削減
家計管理の方法としてお小遣い制をとっているご家庭は多いと思います。節約をしなければということになると真っ先に削られるのがパートナーのお小遣いかもしれませんね。
ですが、多くの場合においてはパートナーのお小遣いを数千円削ったところであまり意味はありません。むしろやる気をそぐという意味でマイナスに働くことでしょう。
もし自分だったらどう感じるかと置き換えて考えてみていただきたいのですが、どんなに頑張ってもお小遣いは一律で絶対に増えることはない。むしろ削られることはある。このような状況に置かれていたら全くやる気が起きなくなりませんでしょうか?
ここからは家計管理の方法にも繋がってくるお話です。夫は妻からもらうお小遣いだけでやりくりをする、夫が妻の給与を管理し、自分の給与も管理する、もちろん夫と妻が逆のパターンもあるでしょうが、このようなパターンで家計管理をしているご家庭が多いですね。
しかし、この構図にしてしまうと、効率的に資産を増やすことはできなくなります。生活費とは別だからこそ頑張れる部分があるわけです。その結果として効率的に資産を増やすことができているのでしょう。
努力が正当に評価されないならば、あとは継続して続けようとは思わないものですね。ほめる認めるなどの無償のものにも価値はありますか。やはり報酬は大きな動機付けになるものです。
ただしパートナーがあるだけ使ってしまうタイプの人ならば、できる人がしっかりと家計管理を握らなければなりませんね。その場合も締め付けるだけにするのでなく、家計全体の節約に協力したら少し報酬を出してあげるようにすると良いですね。そうすれば協力してくれたり、アイディアを出してくれるようになるでしょう。
数千円のお小遣いを節約したことにより、お金を稼いだり、家計としての節約に取り組むことへのモチベーションが下がってしまうのは損失があまりにも大きいですね。ゲーミフィケーションの5つの要素にも報酬がありました。切り詰めるだけではなく、楽しく続けられる環境を共に作っていくことが、結果として倹約に繋がり、世帯として使えるお金を増やしていくことにも繋がるでしょう。
まとめ
今回のテーマは危険で実は損する節約方法5選でした。
①価格に惑わされたまとめ買い
②ポイントに惑わされて買い物をする
③セールを狙ってお買い物
④節約グッズにお金を使う
⑤極端なお小遣いの削減
今回5つをピックアップしましたが、他にもたくさんNG行動はあります。クーラーを我慢する、冬でも水で洗い物をする、コンセントの抜き差し、特売品を求めてスーパーをはしごする、過度な食費の節約など、細かく挙げればきりがありません。
月数千円を浮かせるために時間、労力、健康を損ねるような節約術は効果が薄いだけでなく、疲れてしまって続かなくなります。
ぜひ覚えておいてほしいのは最初にお話した、節約を続けるための心の持ちようの方です。
価値あるものにお金を使うという意識をもつ、楽しく続けられる方法を探そう。これが頭に入っていると様々な損する節約に惑わされない力がつきます。
上手な節約の肝は心理的な負担が少ないところから手をつけていくことです。携帯電話、保険、飲み代、食費、このあたりは手を付けやすく効果的ですね。
ズバリ節約とは金額が大きいものに手をつけなくてはあまり意味がないのです。そういう意味でもこれらは効果的です。節約したつもりで終わらないようにするためにお金を使うべきところはどこかということを考えることは常に忘れないようにしましょう。
以上、最後まで読んで頂きましてありがとうございました。