新nisaで絶対にやってはいけないこと
今回のテーマは新NISAで絶対にやってはいけないこと3選です。
2024年にNISAが大きく変わります。ニュースやネットでも話題になりました。NISAというお得な制度がよくなるらしい。新NISAをうまく使いこなして資産を増やしたい、どのように投資するのが一番良いのだろうか、このように考える人は少なくないでしょう。
新しいNISAはこれまでよりもさらに使いやすくなります。投資できる金額も大きくなりました。この改正について投資家界隈では歓迎する声が多かったです。
投資関連の制度改正は基本的に悪いニュースが多いです。その中にあって今回は珍しく良いニュースでした。推進した行政の苦労が伝わってますね。NISAの改革を受けて、投資経験がない人も興味を持ち始めています。まさに世間は沸いていると言えるでしょう。
大海賊時代ならぬ大投資時代です。一方で投資熱の盛り上がりとともに、危うい意見も見られます。確かに新NISAは良い制度となりました。ですが使い方を間違えると大きな損をするリスクもあります。
流されてよく考えずに投資すると確実に失敗するでしょう。増やすつもりが、逆に減らすことにもなりかねません。そこで今回は、新NISAでやってはいけないことを3つ紹介します。
今回の投稿を読めば新NISAでの失敗を避けられるでしょう。そうすれば新NISAのメリットを最大限に活かして資産を増やします。また新NISAだけでなく、今後にも使える考え方が身につくでしょう。
この考え方はNISA以外の制度やキャンペーンにも応用できます。本質を抑えてぶれずに資産を増やしていきたいですね。
それでは解説していきます。
①制度をよく理解せずに投資する
新NISAは従来のNISAと比べて大幅に改良されました。大まかな変更点を挙げると次のようになります。
・非課税保有期間の無期限化
・口座開設期間の無期限化
・年間投資枠の拡大
・非課税保有限度額の拡大
・つみたてNISAと成長投資の併用可
なお、詳細な説明は過去記事にあるのでそちらを参照して頂きたいですが、概ねこのような形です。
どの項目を見ても自由度は大きく上がったと言えるでしょう。正直、多くの人の資産形成はNISAだけでこと足りるかもしれません。それぐらいのポテンシャルを秘めています。この大胆な改革はニュースやSNSで大きく取り上げられました。
一時はその話題でもちきりでしたね。そのため投資経験がない人も興味を持ち始めています。そうなると懸念されるのは次のようなパターンです。
・みんなが良いと言っているからとりあえずやっておこう。
・よくわからないけど新NISAを使えばお金が増えるらしい。
・〇〇さんがおすすめしていたから5年で1800万を新興国に突っ込む。
このような考えですね。また次のような焦燥感から始めるケースもよくあります。
・みんながやっているのに自分だけやっていない。
・お得な制度だからやらなきゃ損。
・銀行がすすめてくれたから間違いない
このようなパターンです。これらに共通するのは、ご自身で腹落ちしていないということです。他人軸での投資と言い換えてもよいでしょう。
過去にどのような歴史があったか、再現性高く資産を増やせる投資とはどのようなものか、新NISAはどのような制度なのか、これらの理解が十分でないまま安易に勧めるのはおすすめできません。よくある失敗パターンです。
なぜならよく理解せずに始めると多くの場合続けられないからです。実際にこれまで次のような失敗をたくさん見てきました。想像以上の値動きにびっくりして怖くなってしまう。右肩上がりで増えていくと思っていたのに含み損を抱え売ってしまう、財産のほとんどを投資に回し生活に困る節税策を乱用してかえって損をする、金融機関の担当者にすすめられてリスクや手数料の高い商品を買う、このような失敗談が挙げられます。
結果的に投資が嫌になって辞めていく人は少なくありません。そして投資は長く続けられないと再現性が下がります。複利の力を使って資産を増やすのが大事だからです。
複利とは投資で得た利益がさらに利益を生むことです。要は倍々ゲームのようなものですね。倍率は2倍よりも小さいことが多いですが、イメージは同じです。この複利の効果は投資期間が長くなるほど大きくなります。
また投資期間が長くなると、安定した収益を期待できるメリットもあります。言い換えると投資は長く続けるほど資産が増え再現性も高くなるということです。逆に長く続けられないとこれらの効果は得られません。
短期での取引はギャンブルになりやすいということです。そうすると損をする確率が高くなり、失敗も増えます。長く継続すること、それが投資で資産を増やすコツといえるでしょう。
投資を長く続けるにはどうしたらよいでしょうか?それには勉強が不可欠です。投資の規制制度をよく理解し払うとすることが重要です。ご自身で納得して判断する。そうすれば周りの声に流されずに続けられます。暴落があってもSNSで批判されても腹落ちしていれば大丈夫でしょう。
逆によく理解せずに始めると何かがあるたびに不安になります。暴落したり、他人の意見を耳にすると、考えがコロコロと変わるでしょう。そうなると長く継続するのは難しいですね。
再現性高く資産を増やすためにまずは投資の基礎について学びましょう。そして新NISAのルールやデメリットも十分な理解が必要です。
②不適切なペースで投資する
2つ目は不適切なペースで投資することです。無理な投資をしてしまうと言い換えても良いでしょう。
これから新NISAが始まる中で最も懸念されるパターンです。例えば次のような考えが挙げられます。
新NISAをフル活用するために、非課税投資枠を最速で埋めたい。非課税保有限度額は1800万。1年で投資できる上限額は年間360万、毎年360万円をとする場合1800万÷年間360万円で5年かかる、つまり審査で毎年360万円を5年間とすれば最速で枠を埋められる。このような考えですね。
毎年360万も投資できる人は少ないでしょう。そう思われるかもしれません。確かに5年間毎年360万円も投資できる人はごく一部です。ですが満額は難しいとしてもなるべく枠を埋めようと背伸びするケースは多いでしょう。なぜならその年の非課税枠を余らせるのが勿体なく感じるからです。
またSNSの影響も懸念されます。他の人が自分よりたくさん投資しているのを見ると遅れをとってるように感じます。そうなると、焦る気持ちもわくでしょう。自分も頑張らないとということですね。
そしてこのように最速で投資していく考えは、理論的には正しいことが多いです。なぜなら、資金は早くとする方が効率的に資産を増やせるためです。現金のまま銀行に置いていても、わずかな利息しかつかないですからね。なので最速で投資するのが間違っているわけではありません。
問題は枠を埋めることを意識するあまり、リスクをとりすぎることです。金額的にも投資ペース的にもですね、リスクを取りすぎる例としては次のようなケースが懸念されます。
・特定の資産が増えて、ポートフォリオが崩れる。
・ハイペースで投資してリスク資産が大幅に多くなる。
・生活防衛資金や借りたお金を投資につぎこむ。
このようなケースですね、投資するときにはついお金を増やすことに意識が向きがちです。逆にお金が減るリスクについては軽視されやすいです。
ですが大きすぎるリスクをとるともしものときに受けるダメージも大きくなります。暴落したら資産が吹き飛ぶということです。新NISAは投資できる金額が大きくなる分、損失も大きくなります。従来のつみたてNISAとは文字通り桁違いになりかねません。
例えば株式が暴落が来ると半値になることもあります。新NISAの1800万円が半値になったら900万円ですね。コツコツ貯めた資産がマイナス900万円になっても大丈夫でしょうか?900万円をもう一度貯めなおすのに何年かかるでしょうか?ご自身だけでなく、ご家族からも理解を得られているでしょうか?
もし答えに詰まるようであれば少し金額が大きいかもしれません。どのくらいの金額が適正か見直してみても良いでしょう。また投資額と同時に考えたいのはペースです。例えば株式50現金50のポートフォリオを組んでいるとしましょう。もしNISAで株式に年間360万円を投資するならば、さらに360万円の現金が必要です。そうでないとポートフォリオの株式部分が大幅に増えるからですね。
つまり、株式の購入とキャッシュポジションの維持で合計720万円が必要です。もし株式だけを購入して、キャッシュポジションを増やさなければリスクが高くなります。そうなると暴落時のダメージが大きくなるでしょう。買場が来ても買えない懸念もあります。
想定していたリターンも得られません。またキャッシュポジション用の現金は株式と同額で良いとは限りません。株式よりも少し多めに見積もった方が良い人もいるでしょう。なぜなら、株式が成長するからです。ポートフォリオの株式部分は何もしていなくても時間とともに高くなっていくということです。
なので例えば360万円を株式に投資するならば現金ポジションはもう少し気持ち多く追加していくイメージです。もちろんこのあたりのさじ加減は状況に応じて変わります。ですが必要な資金を見積もるために事前に意識はしておいた方が良いでしょう。
方針にリスクはつきものです。資産は増えるだけでなく、減ることもあります。投資する金額やペースが適切かどうか、マイナス面のリスクも考慮して考えてみると良いですね。特に投資経験が少ない方はリスクに対して許容度が小さいことが多いですから、そこを気をつけたいところです。
目的に合わない商品に投資する
3つ目は目的に合わない商品を買うことです。
例えば、新NISAで買うべき商品として配当を出さない投資信託がよく推奨されます。1800万円の枠を投資信託だけで埋めるということですね。その理由は次のようなものです。
・配当金を出す銘柄は、配当再投資が必要。
・配当金を再投資するたびに新しい非課税枠を使ってしまう
・その分非課税で新しく投資できる金額が少なくなる
このような意見です。一見最もな内容ですね。一方で分配金を出さない投資信託ならこの懸念はありません。毎年の非課税枠をフルに使って新規の追加資金で投資できます。資産を最大化するには効率的な方法といえるでしょう。
ですが投資をする目的は人によって違います。例を挙げると次のようなものが考えられるでしょう。老後に向けて長期で資産を最大化したい子供の学費のため、短期で資産を増やしたい資産よりも配当などのキャッシュフローを増やしたい、このように様々な目的が挙げられます。
これらは目的が違うため最適な投資方法も変わります。例えば効率的に資産を増やしたら配当を出さない投資信託が良いでしょう。逆に今使える不労所得を増やすなら高配当株が良いでしょう。それにもかかわらず目的に合わない商品を買うのは避けたいところです。
たとえ人がおすすめしているとしてもですね、例えばキャッシュフローを増やすことが目的の人を考えてください。FIREや老後のため所得を増やしたい場合です。このような人は新NISAの成長投資枠で配当を出す株や債券に投資するのも良いでしょう。
ですが、制度を効率的に使えるからといって配当を出さない。投資信託を買ったらどうでしょうか?効率的に増やせますが不労所得は増えません。どれだけ投資しても目標は達成できないのです。それでは投資した意味がありません。
また配当目的で投資する場合、受け取る配当は再投資するのが最適とは限りません。そもそも配当が欲しい人は使えるお金を増やすことが目的の筈です。受け取った配当金を再投資するのでなく使ってしまうのが本来の使い道です。
再投資は本来考えていた用途ではないということですね。そう考えると、新NISAでは配当を出さない投資信託を買うべきと一概に言うことはできません。投資する目的によっては向いていない人もいるでしょう。
ただ基本的には投資信託で取り崩すという目線を入れるとその辺は対応できるのかなと思いますが、それもやっぱり人によるということです。このように、新NISAを使う場合にも、目的に合った商品を買うことが大事です。
補償する目的は何か、投資で増やしたお金はいつ、どのように使う予定か、これらの点を考慮して、何を買うかを考えていくと良いですね。
ここまで3つのやってはいけないことをお伝えしました。制度をよく理解せずに投資する、適切なペースで投資する目的に合わない商品に投資する、この3つですね。
実はこれらに共通して言えることがあります。新NISAという制度に惑わされないようにしようということです。言い換えれば新NISAという制度によって投資計画、投資行動を歪めてはいけません。大事なのは投資は手段だということです。
そして新NISAは投資に使える便利な道具に過ぎません。便利な道具があるからといって何をするかを変えてしまっては本末転倒ですね。制度に惑わされないようにする、そのためには次のように自問自答してみてください。
・新NISAの情報を聞く前からそのように投資するつもりだったのだろうか。
・仮に特定口座で投資するとしてもそのようにするだろうか。
・もし仮に新NISAという制度がなかったとしても、その金額をそのペースでその商品にその金融機関で投資するだろうか。
このように問いかけてみましょう。もしこれらの答えがノーであれば侵入者によって投資計画が歪んでいるかもしれません。新NISAがあるからそれをうまく使おうとして無理をしている可能性があります。
あるいは目的に合わない方法を取ろうとしていないでしょうか?投資の本質は新NISAの有無によって変わるものではありません。新NISAをうまく使うために、これに投資を新NISAが始まるまで、特定口座での投資は控えよう。このような考えは、実は本質的ではないということです。新NISAを使う計画が適切かどうか改めて考えてみると良いでしょう。
逆に先ほどの問いかけが全てイエスだった場合、つまり元々考えていた投資計画を実行する、その上で無理なく新NISAを使える、そのような場合には、存分に活用していきましょう。使えるなら使うけど使えないなら使わない、そのぐらいの距離感が良いと思います。
あくまで本質は、どれくらいの金額をどのようなペースで何にどこで投資するかということですね。新NISAのお得さに惑わされず、ご自身の投資計画を最優先に考えていきましょう。その制度がなかったとしてもその投資をするだろうか。この考え方は、侵入者だけでなく、他の場面でも使えます。例えば次のようなケースが挙げられるでしょう。
今後、NISAのルールがさらに変わったとき、iDeCoや他の節税策を使うとき、証券会社のポイントキャンペーンやキャッシュバックを使うとき、いずれにしても考え方は同じです。その制度がなかったとしても、その投資をするだろうか。語弊を承知で言いますが、節税策やキャンペーンは、投資の本質ではありません。無理なく使えるなら使った方が得です。ですがそのために投資をするのは違います。あくまでも投資の本質、基礎基本に従って着実に資産を増やしていきましょう。
まとめ
今回は新NISAで絶対にやってはいけないこと3選を解説しました。
紹介したやってはいけないことは次の3つです。
①制度をよく理解せずに投資する
②不適切なペースで投資する
③目的に合わない商品に投資する
この3点でしたね。制度をよく理解せずに始めるとかえって損をすることもあります。また制度の基礎、基本を知らないと長く継続できません。短期の投資は利益が小さくなったりする確率が高くなります。いずれもよく理解して、腹落ちした状態で投資に取り組みましょう。
不適切なペースで投資することはリスクを取りすぎる懸念があります。新NISAの良い面ばかりに目が行き、リスクを過小評価してしまうということです。ですが、大きすぎるリスクを取ると暴落したときに続けられません。半値になっても大丈夫な金額やペースかどうか、改めて確認すると良いでしょう。
やってはいけないことの3つ目は目的に合わない商品に投資することでしたが、投資をする目的は人によって違います。資産を最大化したい場合は配当を出さない投資信託を買う方が良いでしょう。逆にキャッシュフローを強化したい場合は、配当を出す株を買うという手もあります。新NISAを効率的に使うことだけでなく、目的に合わせた商品選定が重要です。
最後に全体に共通する考え方を紹介しました。それはその制度がなかったとしてもその投資をするだろうかというものです。NISAは今後も変わっていくでしょうし、証券会社が実施するキャンペーンもあります。目先の利益や制度に惑わされず、音質を抑えていきましょう。基礎基本を守った投資が着実に資産を増やしていく近道です。何があってもぶれないよう、一緒に学んでいきましょう。
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