危険な営業トークと撃退法
今回のテーマはお金を守るための危険な営業トークと撃退法というテーマで話をしていきたいと思います。
保険の営業、不動産投資の営業、投資信託ファンドの営業、この3つのジャンルについてよくある危険な営業トークを3つずつ紹介していきます。全部で9個ですね。この9個を抑えるだけで、かなり資産防衛力が高まると思います。
ちなみにこれから紹介する危険な営業トークには一つの共通点があります。その共通点に気づけた人はかなり勘のいい方ですね。その共通点については最後に解説します。それでは本題に入っていきましょう。
保険編①:『先取り貯金という言葉をご存じですか』
こんなトークが出たら要注意です。なぜなら、手数料の高い貯蓄性の保険をすすめてくる可能性があるからですね。特にそれが外貨建てのものだったら、本当によく気をつけてください。外貨建て貯蓄性保険は金融庁もマークするようなボッタクリ保険の典型ですからね、先取り貯金っていうのは、収入から先に生活費を使って、残ったお金を貯金するのではなくって、収入から貯金分を先に差し引いて、残ったお金で生活する、こういう考え方ですね。
貯金が苦手な人には非常に効果が高い貯蓄スタイルで給与から天引きされる財形貯蓄なんかも先取り貯金の典型ですね。毎月保険料という形で強制的に銀行口座から引き落とすことで堅実に資産を貯めていきましょうっていうわけですね。でも、ちょっと待って欲しいんですよ。貯金っていうのは元本割れしないし、いつでも引き出して自由に使えますよね。100万円貯金したからって言って明日になって急に90万円なりましてそんなことないし、いつでも出したいと思ったとき自由に引き出して使えるわけですよね。
その一方で貯蓄型保険は、為替リスク等で元本割れの可能性があるし外貨建て保険の場合ですね、いつでも自由に使えるわけではありません。自由に使おうとして途中解約したら元本割れする可能性があるからですね、本当に保険が貯金なんだったら、契約後1年で解約しようとしたとき、引き出そうとしたときに30%も40%も元本割れするわけないですよね。この数十%が契約時の最初の手数料として、保険会社に取られてしまった分ですね。
保険で貯蓄しましょうっていう営業に対する言葉は、こんなに手数料のかかる商品見たことないってこれに尽きますね、貯蓄は貯蓄、保険は保険です、分けて考えましょう、混ぜるな危険ですよ、先取り貯金をしたいんだったら、先取り貯金をすればいいわけです。わざわざ保険会社に高額の手数料を払って、貯蓄性の保険に入る必要ってのはないですね。
保険編②:『マイナス金利についてどう思いますか』
これも要注意ワードなんですね。営業トークの流れはこの通りです。マイナス金利が導入されてから、ご自身の資産を守る対策をしていますか。これからは銀行にお金を預けていてもお金が増える時代ではないですよ、実際現在の預金金利は0.01%しかありませんとか、お客様、株式投資はリスクが大きいですから、保険での資産形成を考えてみませんか。保証もつくし、資産も増えるし、一石二鳥ですよ。こんな感じなんですね。
何もかもなるほど、その通りだなって思えるのがすごいところですね。実際銀行にお金を預けていてもお金が増える時代ではないし、株式投資などは大きなリスクが伴うし、保険ならば、数十年後にもらえるお金が確定している、これは商品によりますけど、保障もついてきますよね。唯一の問題は、こういった投資と保険がセットになった保険っていうのは、高額な手数料がかかるってことを説明していない点なんですね。
お金が増える保険っていうのは保険会社のお金が増える保険なんですね。あまりこんなこと言ってたらまた怒られますけどね。でもやっぱりズバッていきましょう、貯蓄型保険の中身は薄い保障と手数料の高いボッタクリファンド、この二つのセット商品なんですね。私がおすすめするのは、補償は掛け捨て保険で十分な保障をつけて、投資は手数料の低いインデックスファンドを自分で買うこと、保険は保険、投資は投資で分けた方が間違いなくトータルのコスパは高くなります。
マイナス金利で銀行にお金が増えないからといって、投資にリスクがあるからといって何も選択肢が貯蓄型保険に絞られるわけではないんですね、貯蓄型保険になってリスクある投資のリスクは貯蓄と投資でコントロールできる保障が欲しいんだったら、掛け捨て保険で十分営業トークに乗せられて、視野が狭くならないようにね、気をつけていきましょう。
保険編③:『保険には節税メリットがあります』
保険には節税メリットがあります。これですね保険営業の必殺技ですねそうは言ってもな保険料が高いなとか、保険かあ本当にこんなに必要からこんな感じで迷ってるお客さんに別な角度からジャブを打つんですね。それがこの保険に加入いただくと、なになに保険料控除が使えます。所得税や住民税が安くなって、節税になりますよっていうものなんですね。
日本人はリスクが嫌いです。損するかもしれないけど、大きく得する可能性があるものより小さな得しかないけど、損する可能性は絶対にない、こういうものの方が好きなんですね。だからノーリスクで確実に得できる節税って言葉にめっぽう弱い。でも、節税目当てで保険に加入するっていうのは、数千円、数万円の節税のために、本来不要なものを買う節税で得した以上の手数料を保険会社に支払うということになりかねません。
保険会社が間違っても保険は節税になりますよ。お客様の節税金額より高い手数料いただきますけどねとは言わないわけですね。保険はリスク管理のための重要な商品です。本当に必要な保険っていうのは、節税メリットがなくても加入するものなんですね。それが保険、必要な保険なんですね。節税ありきになっている時点で、あれ、何か本質からずれてるぞ。こう考えてほしいですね。
不動産投資編①:『不動産投資は節税になります』
先ほど説明した通り日本人は節税が大好きです。ノーリスクで確実に得する。この言葉は人魚の歌声のように私達を魅了するんですね魅了されたが最後、深海に引きずり込まれる点も人魚と一緒なんですけどね、ゴミ投資の代表格である新築ワンルーム投資、私の知人が2200万円と1800万円で合計4000万円、新築ワンルームを買いました。まだ1年も運営してないのに、現状毎月1万5000円の赤字、現在の売却見込み額は3200万、つまり800万円の赤字ですね、完全に地獄の1丁目に足を踏み入れてます。
毎月1万5000円、年間約20万円の赤字が出ているんで、確かに税金は安くなります。会社員としての年収が400万円だとしたら、不動産投資の赤字20万円を考慮すると、400万円-20万円、つまり380万円、この380万円の部分に税金がかかるんで、税金がかかる所得が小さくなりますからね。
でも、ちょっと考えれば、これって変だって気づきますよね。儲けるための投資で赤字を出していると、赤字出したらあかんやんってね、たくさん税金を払わなきゃいけなくなるようなビジネス投資こそが本来収益性の高いビジネスや投資なんですね。赤字前提とかねゴミ以外の何物でもないですよ、この物件は節税になりますよっていう営業トークは私に100万円くれたら、あなたの税金が20万円安くなりますよみたいな話なんですね、そう言われてることにね皆さんちゃんと気づいてください。
不動産投資編②:『保険には節税メリットがあります』
これも本当によくあるトークなんですね。不動産投資用のマンションやアパートを購入するときはローンを組むのが一般的ですよね。このときにお金を貸してくれる銀行が団体信用生命保険の加入を融資条件にしていることが多いんですね。この団体信用生命保険に加入しておけば、ローンの契約者に万が一のことがあったときに、保険によりローンが完済されて、残された家族に借金が残るようなことがなくなります。要は家が残るんですね、ローンのない家ですね。
不動産投資は生命保険代わりになるって聞いて、あら素敵ってそう思ってしまった人にこの言葉を贈ります。保険が欲しいんだったら保険に入ればええがなっていうね、30歳の男性なら月4000円ぐらい払えば、2000万円の死亡保障がある生命保険に加入できます。
現在の資産、貯金や株式など、遺族年金、配偶者の労働力。そういったものを加味すれば一般的な家庭には十分な補償でしょう。生命保険としてのメリットを前面に出すしかないような物件はキラッキラのゴミ物件だってことですね。もうゴミ物件の中の元トップオブトップのゴミ物件ですね。他に褒めるところがないから営業マンも仕方なくそう言ってる。まともな不動産投資家が検討している物件では生命保険代わりになるなんて話出ません。
不動産投資編③:『不労所得になるし、老後の年金対策にもなります』
不労所得になるし、老後の年金対策にもなります。もう激甘営業トークの筆頭ですよ、不労所得、年金対策。このあたりの話が出たら要注意ですね。まず不動産投資の収益は、不労所得ではありません。そもそもまっとうな大家さんの多くは、不動産投資って言葉を嫌います。賃貸経営とか不動産事業こんな感じで、事業性に重きを置いた表現を使います。
不動産に投資しているっていう事実は同じなんですけど、お客さんに快適な居住空間を提供するサービス業だとか、銀行は投資用資金は貸してくれない、こういうことを理解しているからこそ、浮ついた気持ちで不動産投資って言葉を使わないってわけですね。一切働かずに得られる不労所得は例えば株式の配当金とか債券の利息、これらですね。不動産っていうのは実物なんで、管理や修繕も発生するし、管理会社、入居者事業者金融機関とのお付き合いも発生するし、騒音問題、孤独死、犯罪に使われるなど、トラブルもあるんですね。
時給労働のような労働とはちょっと異なるんですけど、それでも不労所得ではないことは間違いありません。そして実物であるがゆえに確実に老朽化していきます。30年後40年後にも、今と同じように家賃が入り続けて、年金になるって思ってる人がいるんだったらこれは考えを改めてください。
投資信託編①:『現在の低金利をどう思いますか』
銀行員がそれ言っちゃうんかいっていう営業トークですね。お客様、預金金利が低く、ご期待に沿えず申し訳ありません。ところで最近株式市場が好調なのをご存知でしょうか?こちらのファンドならばっていうこんな感じの流れですかね。銀行員は証券マンや不動産の営業と比較して非常に有利なポジションにいます。なぜなら、お客さんの銀行口座が丸見えだからですね。だからまとまったお金保険解約者とか退職金とかねボーナスとかまとまったお金が銀行口座に入ると途端に察知してね営業の電話とかかけてきたりするわけです。
資金力が見えているんでこういう提案ができるんですね。預金500万円のうち100万円だけでも成長性の高い商品に振り分けてみませんかと。分散投資といって様々な商品にバランスよく投資した方が、預金だけを持つより効果的にお金が増えますよ、こんな感じですね。確かにちょっとやってみようかなっていう提案に見えるんですけど、低金利で苦しんでいるのはお客さんじゃなくて、むしろ銀行だって知っておきましょう。
皆さんから預かったお金を、国債などに投資して利ざやを抜いているんで、国債の利回りが低くなればなるほど、銀行は預かったお金の運用先を失って収益が悪化していくんですね。その結果、お客さんに手数料の高いファンドを買わせて、新たな収益源を作らないといけなくなった。この営業トークの皮肉なところはお客さんを心配してのことじゃなくって、自分たちを心配してのことだっていう点ですね、私がお客さんサイドだったら、分散投資がしたくなったら手数料が格安のファンドを自分で買います、こんなふうに言いたくなっちゃいそうです。
投資信託編②:『毎月お金が受け取れる商品に興味はありませんか』
毎月分配型投資の勧誘ですね。全部が全部駄目ってわけではないんですけど、ほぼ駄目な商品ですね。もうほぼほぼ、ほとんど駄目な商品。
毎月分配型投信っていうのは、皆さんが毎月お小遣いをもらえるってよりは、ファンドの運営販売サイドが毎月お小遣いをもらえる商品なんですね。このファンドの多くは、購入した時点で多くの手数料取られて、持っているだけで多くの手数料取られて、自分が受け取っている分配金は元々自分が出したお金っていうケースが非常に多いんですね。
もし皆さんにお金が余っていて、世話になっている銀行員さんにお小遣いあげたいなとかお世話になってる証券マンにお小遣いあげたいなっていうことであれば購入を検討してもいいと思います。
投資信託編③:『そちらを損切りしてこちらに乗り換えませんか』
これも超典型的な危ない営業トークですね。この営業トークと今のうちにしっかり利益確定して、こちらに乗り換えませんかっていうものもあるんですね。乗り換え先としてよく提案されるのは、成長力が高い気がする新興国株ファンド。利回りが高いように見える、新興国債券、最近の人気商品、これ販売者が儲かるんで営業に注力しているファンドってことですかね。営業マン本人すら中身を理解できてない仕組債っていった感じですね。
間違っても売買手数料無料、信託報酬0.1%っていったS&P500連動のインデックスファンドなどはもう紹介されません。乗り換えませんかと本音は私に手数料払っていただけませんか、こういうことですね。いつ損切りするか、いつ利益確定するか、これは最も重要な投資家自身の仕事です。それを周りに流されて決めている時点でマイナス100点、さらにその際に、他人に余計なお金を支払っている点でマイナス100点。
360度どの角度から分析してもいい投資家の姿ではありません。損切りして乗り換えませんか、こう言われたら自信を持って、これは長期投資のためのファンドです。むしろ半値になったら買い増ししますぐらいのことを言えるといいですね。そもそもそう言えるものにしか投資すべきではありません。もちろん最初っから短期投資の場合は別ですけどね。
まとめ
以上の皆さんが一生懸命貯めた大切なお金を守るために危険な営業トークを9つ紹介しました。以下に営業トークと撃退法をまとめます。
【保険編】
①先取り貯金という言葉をご存知ですか
⇒保険で先取り貯金しましょうという提案をされますが、こんなに手数料のかかる貯金見たことない。
②マイナス金利についてどう思いますか
⇒資産運用の必要性は感じるけど、資産形成の主役は保険ではないので、余計なお世話です。
③保険には節税メリットがあります
⇒税金安くなってゴミ買ってもしょうがない。
【不動産編】
①不動産投資は節税になります
⇒不動産投資ではなく、不動産事業、賃貸経営です。儲かるビジネスはむしろ税金が増えるものです。私に100万円くれたらあなたの税金が20万円安くなりますよ、なんて誰がそんな話喜びますか。
②生命保険代わりになります
⇒それなら保険を買います。
③不労所得になるし、老後の年金対策にもなります
⇒事業経営は汗をかくものだし、30年40年先のことなんて考えません。今儲けるために全力で汗を流すのが事業です。
【投資信託編】
①現在の低金利をどう思いますか
⇒あなたが言うことではない。国債利回りの低下で困ってるのは銀行です。
②毎月お金が受け取れる商品に興味ありませんか
⇒そのトークの冒頭に私がをつけてください。
③そちらを損切りしてこちらに乗り換えませんか
⇒半値になっても買い増しますって言いましょう。※元々ゴミファンドをつかまされてる人は損切りしないと駄目です
実際こうやって言っちゃったら喧嘩になっちゃいますから、実際に言わずに自分の頭の中で言うようにしてくださいね。
最後に危険な営業トークの共通点を一つ紹介します。本質に触れない、これに尽きますね。保険の本質はどれぐらいの確率で起きることなのか、それによってどれぐらいの損失を被るのか、そういう話が出てこずに、節税とか、先取り貯金、資産形成みたいな話が先行する。こういうのは駄目なんですよ。必要な保険は三つだけです。火災保険と対人対物無制限の損害保険、自動車保険ですね、掛け捨ての死亡保険、それ以外は公的保険をベースに貯金で備えましょう。
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不動産の本質は空間を提供するサービス業なんですね。どうやって価値のある物件を作るかとか運営するかってことじゃなくって、節税になるよとか、保険代わりだよとか、不労所得、年金不安みたいな話が先行するってのは本質から逸れてるんですね。不動産は不動産賃貸業です。
ファンド等を通じた資産運用の本質は、どうやって適正なリスクを取るかなんですね。リスク許容度の話が全く出ずに、預金金利がどうだとか、毎月のお小遣いがどうだとか、下がったから売ろうとか上がってるから買おうとか、そういう話が先行するのはこれも本質から逸れてるんですね。
騙されやすい人っていうのは、本質を見ない人、もしくは本質が見えてない人ですね。皆さんはぜひ、本質を考える力を磨いてください。そうすればいくら見た目がお化粧されてたり、手を変え品を変えた商品が出てきても大丈夫です。危険な営業とかばっちり撃退できるはずです。
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